FOSS4G 2017 Tokaiふりかえり

投稿日: 2017年12月23月

※この記事はFOSS4G Advent Calndar 2017の25日目です。

いよいよ2017年のFOSS4G Advent Calendar最終日(25日)ですね。 私からは東海では初開催のFOSS4Gカンファレンスがどんなイベントだったのかご紹介したいと思います。

当日来れなかった方はもちろん、来られた方にも振り返りになれば幸いです。

セッションについては動画が公開されていますが、約4時間半もあるためこの記事を読んで頂き興味を持ったセッションを中心にチェックしてもらえればと思います。

いつどこで開催されたの?

  • 日時:2017年12月2日(土)
    • 9:00~12:00 ハンズオン
    • 13:00~17:30 セッション
    • 18:00~ 懇親会
  • 場所:愛知大学 名古屋キャンパス

他地域ではハンズオン1日、セッション1日の2日間で開催されることが通例となっていますが、東海は初年度ということもありそれぞれ半日づつで丸1日の開催としました。

参加者からは「1日でハンズオン、セッション両方に参加できて良かった」という声もあり、1日開催も良いなと思いました。

また、会場は名古屋駅からのアクセスが良いため「東京からも日帰りでき参加しやすかった」という意見をもらうことができました。(皆帰っちゃって寂しかったけどね)

ハンズオン2コマ

ハンズオンは「QGIS初級編」と「Leaflet入門編」の2本立てです。

GIS初めてという人には「QGIS」、GISはわかっていて実践したい人向けには「Leaflet.js」を提供しようということでこの2本立てにしました。

セッション9コマ

以下9つのセッションの振り返りです。

  1. Leveraging FOSS4G for Citizen Science
  2. メディアにおけるwebGIS活用事例
  3. OSGeo-LiveからFOSS4Gをはじめよう!?OSGeoのプロダクトや事例の紹介?
  4. MySQL 5.7で刷新されたGIS機能のご紹介
  5. CARTOで10分ウェブクッキング
  6. 林業とGIS 利用事例と課題・展望
  7. OpenStreetMap:静岡県掛川市シニアマッパーによる活動
  8. 災害救助シミュレーションにおける OpenStreetMap の活用について
  9. あなたのまちでもFOSS4G

それぞれのYouTubeの該当箇所へのリンクも掲載しています。

1. Leveraging FOSS4G for Citizen Science(訳:市民科学のためのFOSS4Gの活用)

OSGeo Foundation PresidentのVenkatesh Raghavan先生によるFOSS4Gの活用事例の紹介です。

ここで大事なのは「市民科学」のほうではなくて「のためのFOSS4Gの活用」のほうです。

「市民科学」を例として、「現在においてFOSS4Gとは何を指していて、どんな場面に使われているのか?OSGeo財団はその中でどんな役割を担っているのか」ということが体系的に学べる講演でした。

FOSS4Gって何?OSGeo財団って何をする団体?ということを知りたい方はまずこの講演からどうぞ。

2. メディアにおけるwebGIS活用事例

日本経済新聞社の清水正行さんによるwebGIS活用事例の紹介です。

GUNMA GIS GEEKの清水さんと言ったほうがわかりやすいかもしれませんね。

D3.js、Leaflet.js、Turf.jsといった地理空間情報を扱うことができるJavaScriptライブラリが、日経:Visual Data等のWEBサイトで実際にどう使われているのか具体的事例とともに紹介されました。

「WEBでこんなデータ表現ができるのか!」という驚きをぜひ味わってください。

3. OSGeo-LiveからFOSS4Gをはじめよう!~OSGeoのプロダクトや事例の紹介~

ここまででFOSS4Gのツール群を実際に触ってみたいという欲求が盛り上がってきたと思います。

そこで東京大学の瀬戸寿一先生によるOSGeo-Liveという「FOSS4Gのツール群がパッケージされたDVD」の紹介です。

それぞれのFOSS4Gツール群をちょっとづつお試しするには最適です。なにせDVDからブートするだけで一通りのFOSS4Gツールが使用可能です。

DVD焼くのも面倒なのでVirtualBoxやVMWare等の仮想マシンでisoイメージから起動する使い方が楽そうです。

4. MySQL 5.7で刷新されたGIS機能のご紹介

MySQL 5.7でGIS機能が刷新され、PostgreSQL以外のGISデータベースの選択肢が増えました。

POINT、LINESTRING、POLYGONなどのGEOMETRY型が使えたり、距離を算出するためのST_Distance関数が使えたりと、GISに必要な機能が実装されています。

また、MySQL Workbenchという統合ビジュアルツール内でジオメトリが図示されるなど便利な環境が整っているそうです。

日本オラクル株式会社の山﨑由章さんによる発表でしたが、山崎さん今年のFOSS4Gカンファレンスに引っ張りだこで、TOKYO、KYOTO.KANSAIに続いて3度めだそうです。

5. CARTOで10分ウェブクッキング

データを材料、CARTOというサービスを調理道具に見立てて料理するというプレゼンテーション。

CARTOはバックエンドにPostgreSQL+PostGISをデータベースに使用していますが、特筆すべきはその見た目(ビジュアライズ)のお手軽さと美しさです。

しかも、ビジュアライズした結果を簡単に共有したり、WEBサイトに貼り付けることができるということがこの短い時間でも実現できています。凄い。

CARTOの日本の「テクニカルリファレンスパートナー」でもあるPacific Spatial Solusions今木洋大さんによる滑らかな調理をぜひ御覧ください。

6. 林業とGIS 利用事例と課題・展望

「なぜ林業でGISを活用しているのか」から丁寧にお話頂いた中部大学の竹島喜芳先生による講演。

森林面積は昭和41年から現在まで変わっていないが、木材として使える量は増えている。それらは森林法・森林計画図で整備されており、膨大なデータ量となっている。

それらのデータをQGIS等のフリーのGISを使って活用しているため業界でのFOSS4Gツール認知度が高く、QGIS研修会なども開かれているそうです。

「林業はGISの宝庫です」という唱和も特徴的でした。

ちなみに竹島先生著の「実務で使う林業GIS」はこちら。

7. OpenStreetMap:静岡県掛川市シニアマッパーによる活動

昨年からOpenStreeetMapのマッピング活動を始められたという平賀興紀さんからの発表です。

「活動結果」「マッピング方法」「今後の課題」についての報告頂きました。マッピングについてはもちろん、コミュニティ運営のお話としても興味深い内容でした。

寺からマッピングしている。など、コミュニティのモチベーション維持など参考になりそうです。

8. 災害救助シミュレーションにおける OpenStreetMap の活用について

愛知工業大学の細谷優介さんによる発表です。今回唯一の学生登壇者です。

osm2gmlでは4日寝られない状態になるなど、苦労話が飛び出したり…

こういった「マッパー目線ではないデータ活用側の話」というのは事例として珍しいせいか、「ぜひ今後、他の場でも発表して欲しい」という声が聞かれた発表でした。

9. あなたのまちでもFOSS4G

FOSS4G Hokkaidoの運営メンバーでもある古川泰人さんによる講演。

MIERUNE地図という3Dにも対応したタイル提供サービスの話や、ヒグマップとLINE Botの連携話、FOSS4G Hokkaidoの話、OSGeoの新しいロゴの話、と多岐に渡った話題提供でスタート。

そこから世界も含めた各地のFOSS4Gや、FOSS4G Hokkaidoがどのように生まれ育っていったのか、何を大事にしているのかを紹介してくださいました。

懇親会ではLT大会も

懇親会はすぐ近くのカフェ・クロスロードというJICAの施設で開催され、本編では発表されなかった登壇者によるオフレコ話もちらほら。。。(オフレコなのでここでは書けません…)

まとめに代えて、「START~はじめましてFOSS4G~」というテーマについて

今回このイベントを通してFOSS4Gを使い始めてもらえたらいいなという意味を込めてテーマを「START」としました。 また、来年以降もこのイベントを続けていくのだ、という意識の表明でもあります。

「はじめましてFOSS4G」という副題は、「FOSS4Gに触れるのは初めて」という人も参加しやすいようにという意味を込めています。

というわけで来年も開催予定ですので、楽しみにしていてください。

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名前:宮内 はじめ

Code for Nagoya名誉代表

E2D3名古屋支部長

プログラマーです。GISやデータビズが好きです。このサイトは宮内の個人的なメモです。

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